真理はどのように確認されるか?著者は、あることが真理であることを確認する手段として、以下の 3 ステップ手順を提唱します (この手順は、ケン・ウィルバーがその「目には目を」で提唱した「妥当なデータ蓄積の 3 要素」に基づいています)。 1.命令。これは、たとえば、「もしこれを行えば、それを獲得します」というような、(命令内容の妥当性を) 知っている者による指示です。 2.個別確認。命令に従った人が命令内容の妥当性を自分自身のために確認します。 3.共同確認。命令に従った一定数の人々が、命令内容の妥当性に関する自分自身の確認を相互共有し、この時点で、命令内容がこれらの人々が属するグループの中で真理として見なされるべきことになります。 科学的な真理の確認 (科学者は、同じ条件下で実行される反復実験で同僚が同じ結果を得ることに重く依存しています)、ユークリッド幾何学の公理、(「現代で最も偉大な 1 人のファッション デザイナー」ではないにしも) 「現代で最も偉大な複数のファッション デザイナー」 の確定、政治的運動の盲目的な追従等を始めとして、この手順はどのような領域においても機能しているように思われます。 このようにして確認された真理は、その妥当性を確認する人々のグループの中だけで妥当であることを強調しておく必要があります (ここには同語反復があります)。 ある特定の真理を確認するための上記の手順を考慮すると、この「科学の部門化」の時代に、1 つの体系内で専門家が発見した真理は、その体系の機能のし方を知らない部外者によっては容易に理解、受容されないかもしれない一方で、長期間充分に 1 つの体系内で研究する者は皆必然的にその体系内の普遍的結論 (すなわち、真理) に到達するはずである、ということが明らかになります。 人々が容易にお互いに意見を共にすることができない理由は、普遍的真理があまりにも難解であったり、理解するにはあまりにも捉え難いものであったりするからではなくて、むしろ人々は、部門化された各科学分野で確認できる「小さな」真理を「大きな」普遍的真理に統合するための手立てを (少なくとも現在のところ) もちあわせていないからです。 著者は、仮にさまざまな真理が論理階梯の理論に基づいて適切に整理されることが可能になれば、複数の小さな真理を普遍的真理の中に統合することは可能であると信じています。 Copyright (c) 1997-2007, by Taiten G. Kitaoka. All rights reserved internationally. |