以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「旧編 新・これが本物の NLP だ!」第 76 号 (2007.10.4 刊) からの抜粋引用です。

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今回は、先週末に終了した日本 NLP 学院第 9 期プラクティショナーコースの報告に関する情報を中心にお伝えします。


1. 東京第 9 期プラクティショナー コースについて

先週末に東京第 9 期プラクティショナー コースが無事に終わりました。日曜日には 15 名の方が認定のための「卒業査定演習セッション」を行われました。(15 名の中には、現在開講中の「日本 NLP 学院/セレブリティ インク共同開催」のコースの生徒さんで補講参加された方も三名いらっしゃいました。)

皆さん、非常に高いレベルを示したセッションが多く、私自身、非常にすばらしいと思いました。コースには以前の期のプラクティショナー コース参加者で再受講していらっしゃるた方もいましたが、その方もメーリングリストで「9 期のプラクティショナーのレベルは非常に高いと思いました。以前私が参加したコースでは『無意識シグナル確立演習』などうまく引き出すことができない方がほとんどでした」という意味の感想を述べられていますが、私も同意できます。

(ただし、この方の言う「以前私が参加したコースでは『無意識シグナル確立演習』などうまく引き出すことが出来ない方がほとんどでした」に関しましては、その責任は、生徒さんの側というよりも、ニューコード NLP を導入するようにグリンダーさんにリクエストされた初期段階だった講師である私のぎこちない教え方にあったのではないか、ということは付言しておくべきかと思います。)

この査定セッションの中で、一つテクニカル的に非常に重要なこと発見しましたので、今号のメルマガで述べさせていただきたいと思いました。

あるコース参加者は、スダンダードの「タイムラインの発見と修正」演習の発表を行いました。

これは、クライアント役の方から、自分の前にある「タイムライン」を引き出して、その角度が狭すぎるときには少々広げることをクライアントに提案する、といった比較的簡単な演習です。

私は、この査定セッションを最後まで中断せずに行っていただきましたが、途中で、クライアントが右側に過去があり、左側に未来があるタイムラインを提示した際、ファシリテータは、(その角度そのものだけを修正するのではなくて) 「通常、タイムラインの過去は左側にあり、未来は右側にある」ということを理由をもとにして、このクライアントの左側にある未来のタイムラインと右側にある過去のタイムラインそのものを交差させて、未来のタイムラインを右側に置き、過去のタイムラインを左側に置かせ始めたときには、内心「やばい」と思いました。

このセッションの後、確かにクライアントは (左利きではないかもしれませんが) 何らかの理由でタイムラインの左右が逆転していることが確かめられたので、セッション後のコメントとして、私は、 「クライアントさんのタイムラインの角度が狭すぎるとか、広すぎるときに、その角度を『修正』してあげることは、柔軟性を増やすという意味で、許されることかもしれませんが、確かに、今のセッションのやり方でクライアントさんの内的世界が『劇的に改善』される可能性も私は否定しませんが、通常、右脳と左脳の交差使用が関与した『側面性』等に関係する脳プロセスの『操作』の場合、『エコロジー チェック』をするなり、極めて慎重に考慮しながら行わないと (突然内的世界があまりにも変わりすぎたりして) 危険な結果を生み出しかねないと思います」と発言させていただきました。

このファシリテータには休憩中にクライアントのタイムラインの左右逆転を元に戻す特別セッションを行っていただきました。

「やってはいけないこと」の一つの例としては、本メルマガの第 12 号でも言及しましたが、ある英国人の NLP トレーナーが、そのワークショップで、NLP でよく使うスペイシャル ソーティング (床にマーキングしたスポットを実際に身体的に移動することです) を使って、「自分を見つめる自分を見つめる自分を見つめる」といった演習を紹介した際に、問題をもっている自分、その自分を見つめている「観照者」(ウィットネス)、そしてその観照者を見ている「名人」(マスター)、の計三つのスポットを想像するよう参加者に求めて、私は唖然としました。というのも、人間にとって一番上にある意識レベルとされている「観照者」(NLP の「メタ ポジション」) に関して、「観照者」を見つめるもう一人の「観照者」はありえても、「名人」等が「観照者」を見るということはありえないし、またそのような人間の心理状態に関する普遍性に逆行するような演習を行うことは、精神的健康の観点から非常に危険である、と思ったからでした。

このことと同じような意味合いから、「反面教師」的な一例として、上記の出来事も引用させていただきました。

私は、さらに、セッション後コメントとして、「いい NLP トレーナーと悪いトレーナーの違いを判定する際、または自分で『やってもいいこと』と『やってはいけないこと』の区別が不確かな際の判断基準は、『あるテクニックを他人に施す前に、まず自分自身に施して結果を確かめること』です」と進言させていただきました。

私は、個人的には、脳の働きを充全に理解しないまま他人に NLP ワークを施している NLP トレーナーが世界中に数多くいると考えています。私が本メルマガの第 13 号で書かせていただいた「NLP の教えは、言ってみれば瞑想の師匠が口頭伝授的に奥義の技法を弟子に伝えるのと同じメカニズムに依存しているので、どれだけ紙面を割いて細かく説明しても、有能なトレーナーから実際の手ほどきを受けないかぎり、何もスキン メモリー (体感記憶) として理解することはいっさいできない、という厳然たる事実をここで強調させていただきます」の意味合いは、ここにあります。

ここでのキーワードは、「いい教師からの口頭伝授的学習」と「まず自分がモルモットになったテクニック以外は他人に施さない」です。


2. 北岡泰典提供業務に関するメッセージ

私は、2007 年 7 月 1 日をもちまして日本 NLP 学院から独立しました。現在は「相談役」として「フリーランス」のステータスで学院に対してコース業務を提供しています。

つきましては、現在、私は、今後フリーランスとして NLP 関連ワークを NLP 業界内外に提供していきたいと思っているところです。

私の提供ワーク内容の例としては以下のエリアがあります (この他の形態の業務提供の「テイラーリング」も可能です)。

*上級 NLP 資格を有した NLP トレーナーの技能支援トレーニング

* コーチ/カウンセラー/コンサルタント等の技能向上トレーニング

* (特に団塊の世代の) 退職者向け「プライベート エグゼキュティブ ライフ コーチング」

* 企業の社長/重役向け「プライベート エグゼキュティブ ライフ コーチング」

* 企業内における人材育成トレーニング

* 企業向け「NLP コーチング」ワーク

* NLP プライベート セッション

* 「NLP モデリング/催眠」ワークショップ (このワークは、共同トレーナーとの開講を予定)

その他にも、私の長年の精神世界の研究に基づいた「願望成就」、「無意識との対話」、「NLP と瞑想」、「NLP と変性意識」等のワークショップも企画しています。

以上の情報は、近日中に「北岡泰典公式サイト」でも告知するつもりです。その際、私の国内活動に関する各地域ごとの代理人名も公表する予定です。

作成 2023/12/12