以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「旧編 新・これが本物の NLP だ!」第 55 号 (2006.7.12 刊) からの抜粋引用です。
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今回は、再度徒然に筆をとってみます。
1. ニューコード NLP 原点の『個人的天才になるための必要条件』の翻訳書について
NLP (Neuro-linguistic Programming、神経言語プログラミング)の分野におけるクラシックである『ニューコード NLP の原点: 個人的天才になるための必要条件』が 2006 年 6 月に出版されたことは、前号のメルマガでもお伝えしましたが、学院のコース参加者の方々も多数この本を購入していただいて、うれしく思っています。
確かに、トピック自体は「難解」な本であるかもしれませんが、「非常に読みやすい」、「ゴールデン ウィーク中のグリンダー氏のワークに参加した後は、(イメージができやすいので) ワークショップの転記であるこの本に何が書かれているかわかりやすい」といったフィードバックをいただいています。
この本の「真髄」が日本の市場にも伝わることを心から願っています。
2. 東京第六期プラクティショナー コース & 大阪第四期プラクティショナー コース
現在、日本 NLP 学院では、3 ヶ 月の変則の東京第六期プラクティショナー コース & 大阪第四期プラクティショナー コースが開講されています。
東京のプラクティショナー コースは大阪に先行して、先週末の時点ですでにモジュール 4 までが終わっています。
このように 6 ヶ月コースではなく短期コースでは、私が過去に欧米で受けた 2、3 週間程度の NLP 集中コースの際に私自身が経験した、加速された学習速度と変化がコース参加者にも明示的に見受けることができるので、非常に興味深いと思います (もちろん、6 ヶ月コースにはそれなりのよさがたくさんありますが)。
特に、私のプラクティショナー コースでは、モジュール 1 と 2 で NLP の (どちらかというと左脳的知識としての) 基礎をみっちり教え、モジュール 3 以降で私が NLP の真髄であると考えている個人編集テクニックを教えるわけですが、たとえば、東京のプラクティショナー コースの参加者の中に、モジュール 2 から 3 への移行時に「めざましい」内的変容を遂げた方もいらっしゃったようで、私が 1988 年当時、ジョン グリンダー氏のプラクティショナー コースに参加したときの「マジカル モーメント」を日本の方々の中にも (ある程度まで) 再現できたようで、うれしく思いました。
大阪のプラクティショナー コースでは、来週末にモジュール 3 が開講されるので、参加者の方々がこの移行を体験されるであろうと期待しています。
東京コースの参加者の方々のフィードバックとしては、「心身論理レベルの整合」の演習を通じて、普通 2 時間程度のコンサルテーション ワークの後でしかクライアントの中に達成できないような精神状態が 10 分程度の演習で達成できることを知って驚いた、というものがありました。
また、別の参加者からのフィードバックとして、「人々、特に若者が自殺する大きな理由の一つに『人生』に退屈しきってしまうことにあると思うのですが、NLP で教わる 4Te の体験を若者に教え、『Here & Now (今、ここ)』の瞬間を継続的に『カリブレート』し続けていくことができたら、ありとあらゆる新しいことを発見していくことができ、人生が退屈になるということはいっさいなくなるので、『ニート族の自殺対策』として NLP が使えるのではないですか?」というふうな内容の指摘を受けました。私自身もまったくこの方の意見に同意します。
なお、東京プラクティショナー コースの第 5 モジュールは今月末に開講されますが、このモジュールは、学院の専属トレーナーであるアラスタ プレンティスさんが担当されます。アラスタさんの日本語は少し独特なので、「慣れる」のに少しだけ時間がかかるかもしれませんが、コース参加者は、私のやり方とは非常に異なる NLP の教え方に接することで間違いなく多くのものを得られると、私は確信しています。彼の「トランス ワーク」は、私は極めて高く評価しています。
また、8 月末の大阪プラクティショナー コースのモジュール 4 も別の学院専属トレーナーが担当されます。この場合も、「二重、三重記述」の観点から、いろいろな人のスタイルを学べるので、いいことだと考えています。
これらの二つのモジュールでは私は教えませんが、その理由の一つは、8 月中旬にイタリアで開講されるステーブ ギリガンの NLP/催眠ワークショップに参加するからです。
ギリガンは、一般的に NLP トレーナーの中で最も催眠がうまい、と言われている人ですが、私自身彼からトレーニングを受けたことがなかったので、今回直接彼に接してみて、自分の目で彼の「天才性」を確かめたいと思っています。これは、私自身の技能の「ブラッシュアップ」の機会でもあります。(彼のワークショップにはアラスタさんも参加する予定です。)
3. NLP は反体制的?
私の過去のコースの参加者で、現在、NLP に関連したテーマで研究論文を書かれている方がいらっしゃいますが、この方から研究の進展具合の連絡を受けたのですが、担当教授である高名な精神分析研究家のお弟子さんから、最初の報告会の席で「たった 20 分で人が変わるわけはないじゃないですか! 誰が変わったって言うの!」というふうに言われた、ということです。
このような「体制」側からの反応は、国内外とも一応予測可能ですが、このような理由からグリンダー氏は、「カリフォルニア州立大学サンタクルーズ校のキャンパスで NLP が生まれたのですから、なぜ学部内で教授中心に NLP の学術研究活動を始めなかったのですか?」という私の問いに「それはありえなかった。そんなことをしたら、私とバンドラーが自由にしたいことができなかったので、NLP は生まれていないだろう」と答えられたのだと思います。
また、今回の日本滞在時に、グリンダー氏は私に、非常に興味深い逸話を語ってくれました。
『魔法の構造』が出版されたときにベイツンがその「はしがき」に、「本書の『はしがき』を書くのは、奇妙な喜びですが、これは、ジョン・グリンダーとリチャード・バンドラーが、[MRI の] 私の同僚と私が15年前に試みたことと似たことを行ったからです...彼らは、私が今思うに私たちが見逃したのは馬鹿げたことだったことを成し遂げています...この発見は、論議が言語学から始まる場合は、明らかに思えます...しかし、実際は、1955年に言うことが難しかったことの多くは、1975年には著しく容易になっています」と書いたので、興味をいだいた MRI (精神研究所) の研究員がグリンダーとバンドラーを、MRI で「革新的な」ワークを披露するように招待しました。
二人が「保険にはいっていない」と答えると MRI 側は躊躇したようですが、「何とか方法を考えます」ということで、最終的にワークをプリゼンすることになりました。
MRI では、権威のある研究員 (ポール ウォツラウィック、ジェイ ヘイリー、ジョン ウィークランド等だったと私は理解しています) が二人がある若い被験者に対して行ったワークのオブザーブをしていましたが、グリンダー氏は被験者の様子が少しおかしいことに気づきました。
二人は、いわば「ブリーフ セラピー」的なワークをこの被験者にした後、「ワーク後に建物の外を散歩するように」といった後催眠暗示をかけて、セッションを終えました。
その後 MRI との会議をもちましたが、研究員の一人が欠席していることに気づきました。実は、MRI 側はグリンダーとバンドラーが保険に入っていない問題を解決するために研究員の一人に被験者の役割を演じさせたのですが、すべて「やらせ」だったにもかかわらず、二人の後催眠暗示にかかってしまい、外を散歩し続けていたことが判明しました。
私が「その後 MRI はどのような反応をしたのですか?」と聞いたところ、グリンダーさんは「その後いっさい我々二人にはコンタクトしてこなかった。おそらく度肝を抜かれたのだろう」と答えられたので、「しかし、MRI も『ブリーフ セラピー』のワークをしていたのにおかしいですね」との私のコメントに対し、グリンダー氏は「我々のワークの内容そのものではなく、その背後にある我々の『態度』に恐れを抱いたのでしょう」と答えられました。
以上の二つのエピソードは、体制側の NLP への反応を象徴していると思いました。
4. 北岡泰典公式ワークショップ シリーズ
本メルマガでは、「北岡泰典公式ワークショップ シリーズ」開講の告知がなされてきていますが、東京での最終回第 12 回ワークショップ「レクチャー 2.6 『ニューロロジカル レベルと 3 つの体』」は 2006 年 6 月 28 日にホテル ヴィラ フォンテーヌ汐留コンファレンス センターで成功裏に開講されました。
北岡泰典公式ワークショップ シリーズは、今後大阪で 7月 21 日に第 6 回ワークショップ「レクチャー 1.6 『マインドでマインドを超えられるか』」が開講された後、いったん一時休止されます。
その後、大阪を中心に北岡の『精神世界と NLP の架け橋を探る』をテーマにしたワークショップを再開したと考えていますが、この際、「瞑想を教えられる先生」との共同ワークを提供していきたいと思っています。
大阪での公式ワークショップ最終回の内容は以下のとおりです。
●第六回:7月21日(金)…レクチャー 1.6 『マインドでマインドを超えられるか』
通常、「脳機能 (小文字の「mind」) で意識 (英語で言う大文字の「Mind」) を超えれるか?」といった問いは、物議をかもし出しますが、古代インドのラージャ ヨギ (マインド コントロールの道の実践者) たちは、顕微鏡で細胞を観察し調査する場合のように、すべての迷信と先入観を排除しながら、客観的な科学的方法論を使って自分自身の内的世界 (内なる自己) を観察、分析することが可能で、さらに、このような科学的な観察と分析を通じて自分のマインドを超えることが可能である、という意見をもっていました。
この一見不条理なメカニズムは、19 世紀末のドイツの数学者が発見した「有限の数による無限の定義」によって論理的に擁護されていることが、考察、検証されます。
さらに、「マインドでマインドを超えられるか」は、NLP の共同開発者の一人のロバート・ディルツが『NLP のルーツ』の中で優雅に示唆している「NLP のような認識論的モデルは、私たちの経験についてのモデルであると同時に、このようなモデルについて考えるというまさにその行為を通じて私たちの経験の一部になるという意味において、ユニークなモデルである」という表現と密接に関係していることが考察され、この点は、NLP 個人編集テクニックの「パーソナル ヒストリー チェンジ」演習等で実際的に実感できることが検証されます。
このワークショップ シリーズでは、必ずしも NLP に限定せずに、「40 年以上の変性意識の研究家」として北岡が培ってきたノウハウが、定期的に興味のもたれている限定された参加者の方々に伝授されます。このワークショップ シリーズでは、東洋的精神修行の道 (和尚、グルジェフ、ヴィーヴェッカーナンダ、シャンカラチャリヤを含む)、瞑想、催眠 (エリクソン式催眠を含む)、「米国西海岸のヒッピーを含むカウンター カルチャーの諸実験」、現代心理療法 (ゲシュタルト、エンカウンター、プライマル、リバーシング等を含む)、トランスパーソナル心理学 (ウィルバー、グロッフ、タートを含む)、芸術論 (ポップ ミュージック、ポップ カルチャーを含む)、その他 (そしてもちろん NLP) が含まれます。
大阪ワークショップのお問い合わせは、大阪ワークショップ共同開催者のホロンPBI, INC.(E-mail: office@holonpbi.com) までお願いします。
http://www.holonpbi.com/nlp/kitaoka.htm
5. 『北岡式英語加速学習法』本の出版計画
現在、ある大手出版社から『北岡式英語加速学習法』についての本を書きませんかという企画提案をもらっています。
該当の編集者から本の概要目次を作成してください、と言われていたのですが、意識的に考えていなかったのですが、本日、あるライブラリで、何と二、三十分でこの概要企画を作成してしまいました。
内容的には、自分でも非常に興味深いもので、まとめてみて初めて自分が「非常におもしろい」英語学習本が書けるであろうことを再認識できて、非常に興味深く思いました。(編集者にも、手を加えるべき点はほぼ何もない、と言われました。) おそらく数年前の時点でもこの概要目次は書けたのですが、誰も私に対して考えをまとめたら、と進言した人はいなかったので、改めて大手出版社の編集者の「嗅覚」は鋭く、「潜在性を顕在化させる力」はみごとだ、と思った次第です。
私自身、私の書く文体は非常に難しいと言われていて、通常、この「大江健三郎」風の文体を崩すつもりはありませんが、さすがに、メガビッグな「大衆市場」をターゲットにしたこの英語学習本は、ごく簡単明快な文体を採用したいとは思っています。
また、編集者の勧めで、まずこの本を出版した時点で、興味をもった読者の方々に、私の「NLP を使った英語加速学習法コンピュータ ソフトウェア」(実は、このソフトウェアのアイデアについては 4 年前に特許申請をしていたのですが、今年の 4 月に特許庁から特許が認められました) が将来製作販売されます、という事前告知が本の中でなされることになります。
この「革命的」な「北岡式英語加速学習法」本の詳細については、本メルマガの今後の号で逐次紹介していくことにします。
作成 2023/11/21