以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「旧編 新・これが本物の NLP だ!」第 51 号 (2006.3.22 刊) からの抜粋引用です。

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今回は、3 月 17 ~ 19 日に、「NLPトレーナーズ トレーニング」コースの一部として 3 日間の「ニューコード NLP」ワークショップが開講されましたので、その概要報告と、大阪の北岡泰典公式ワークショップ シリーズの告知がなされます。

1. 「NLPトレーナーズ トレーニング」コース「ニューコード NLP」ワークショップ開講される

3 月 17 ~ 19 日に、日本 NLP 学院主催の NLP 共同創始者ジョン グリンダー氏認定「NLP トレーナーズ トレーニング」コースの一部としての 3 日間「ニューコード NLP」ワークショップが開講されました。

開講場所は、東京中を見渡すことのできる東京ビッグ サイトの 8 階会議室でした。この会場 (1 階) は、約 1 年前にグリンダー氏が本邦初のワークとして、ビジネス向けワークショップ『NLP リーダーシップで才能を開花させよ』を開催された場所です。

講師は、私と日本 NLP 学院の特別講師であるアラスタ プレンティス氏でした。参加者は 25 名で、大部分は私の NLP 認定コースの参加者または卒業者でした。中には、2006 年 4 月末に始まるグリンダー氏認定の「NLPコーチング認定コース」の参加者で、3 月 3 ~ 5 日の「NLP コーチング認定コース」向けの「ニューコード NLP」ワークショップにはスケジュールの都合で参加することができなかった方々も若干名いらっしゃいました。

ワークショップ プログラムは、2 週間前に開講された「NLP コーチング認定コース」向けの「ニューコード NLP」ワークショップのプログラムと大体同じでしたが、大半の参加者はラポールやカリブレーション等の基本テクニックは私の認定コースですでに習っているので、それらの基本的演習は割愛するかわりに、80 年代のニューコード的モデルである「サンクチュアリ」といった代替演習がデモ実践、習得されました。

ワークショップ参加者の方々の反応はよかったと理解しています。「NLP コーチング認定コース」向けの「ニューコード NLP」ワークショップでは、NLP を知らない参加者の方々もいたので、ワークショップの進行とともに参加グループ全体のエネルギーが少しずつうねりのようにどんどん蓄積していき、三日目の最後のセッションでそれが最高潮に達していった感も感じましたが、本ワークショップでは、プラクティショナー以上の NLP ピアが主だったので、参加グループからの反応はもっと「成熟」したものであると感じました。

特に、「旧コード NLP」のワークを知っている本ワークショップ参加者の方々は、今までとは違う、無意識とのコミュニケーションが充全に取れる「ノウ ナッシング状態」を「堪能」することができたのではないでしょうか?

本ワークショップでは、二日目に、参加者に「ノウ ナッシング状態」に自分が入ったときに、どのような特徴を見出すか?」という質問がなされ、グループごとの発表がなされましたが、その提案された主な特徴を以下に列挙してみたいと思います。

* 知覚の範囲が広がる。
* 内部対話がなくなる。
* 周辺視野が広がる。
* 時間の感覚がなくなる。4Te のみ (今ここ) になる。
* 第一ポジションが強化される。
* アウトカムが変化する (無意識にあったメタアウトカムの意識化)。
* 時間感覚が超越される。
* 体温上昇・呼吸安定が見られる。
* 判断能力が低下する。
* 身体 (エネルギーまたは気) が活性化する。
* 無意識のチャンネルが広がる。
* 大いなる存在に包まれている状態に入る。
* 優先表出体系以外の VAKOG が敏感になる。
* 意識と無意識がつながる。垣根がなくなる (夢の記憶)。
* アウトカムを意識しながら、ノウナッシングステートに入ると、無意識からのメッセージが得られた。
* 自分に合ったやり方を無意識が教えてくれた。
* ギアが突然入る (高パフォーマンス状態)。
* 条件反射的 (無意識レベル) に高パフォーマンスができる。
* 直列処理から並列 (同時多発) 処理になる。
* 4Te と 4Ti が両立している (一体感、よい状態で無意識と意識の境がなくなる)。
* いつもと違う自分を見ている自分を見ている自分に気づいている自分に気づいた (メタ・メタ)。
* コンテンツが消える。

これらは、すべて「変性意識状態」を定義する特徴ですが、私自身、「ノウナッシング状態」では、上に列挙されている現象すべてを包括的に体験できる、と見なしています。

また、先にグリンダー氏は、本メルマガの 47 号で、「ニューコード NLP ゲームの形成妥当な変数の定義」として 7 つの項目を提案しています。

1. 演習の難易度がプレーヤーのレベルに合っていること
2. 全表出体系が関与していること
3. 全知覚入力経路が活性化されていること
4. 同時的平行プロセスが起こっていること
5. 両方の脳半球が活性化されていること
6. コーチによって注意深く監督されていること (あるいは、[コーチが不要なように] ゲームに構造的要素があること)
7.リズミックな活動があること

(注意: この「ニューコード NLP ゲームの形成妥当な変数の定義」の本メルマガでの公表の許可をグリンダー氏に求めたところ、以下の同氏のメッセージを同時掲載することを条件に許可していただきました。

「NLP パターニングの適用は、『参加型スポーツ』です。それは、NLP の実際の実践能力を達成するという、学習者の側のコミットメントと、個人的規律を必要とします。 特に必要なコミットメントは、無意識の反射的反応になるまで NLP のパターンとフォーマットを強制的に練習するというコミットメントです。もちろん、皆さんには、意識的にはこれらのパターンとフォーマットを完全に「忘れ」、自分の前にいるクライアントの要求に応えることの重要性を想起させていただきます。

NLP の適用段階には、自転車に乗ることを学ぶプロセスほど複雑なパターンは存在しないことを忘れないでください。ただし、自転車に乗ることについて話をしたり書物を読んだりすることは、あるいは、自転車乗りの物理的過程についての知識を習得することも、自転車に乗ることを学ぶこと自体とは無関係です。書物を脇に置いて、世界の中で行動してください!

ジョン グリンダー
NLP 共同創始者
ニューコード NLP 共同創始者
ボニー ドゥーン、カリフォルニア
2006 年 1 月」)

本ワークショップでは、三日目の最後の時間に、参加者の方々に、他にも形成妥当な変数はないか考えていただきました。参加者からは、以下のような項目が提案されました。

A. 周辺視野の使用
B. リラクゼーション/遊び
C. オーバーロードにならない程度の負荷/混乱
D 安全性が守られる
E. チームワーク
F. 柔軟性
G. 反復性

これらの追加の可能性としての形成妥当な変数について、ワークショップ後に直接グリンダー氏の意見を仰ぎましたが、「G. 反復性」については意味がわからないが、他の項目はすべて原則として「ニューコード ゲームを行うことの結果としての効果」である、という意味の回答をいただきました。

この回答は、ゲームの「変数」と「効果」を区別する必要のある立場のゲームの考案者としての回答である、ということですが、たとえそうであっても、考案されたゲームの効果性を査定する目的であれば、このリストは有益である、という追加コメントもグリンダー氏からいただきました。

ちなみに、この「G. 反復性」は、ワークショップ参加者ではなく私自身が提案したものですが、グリンダー氏に、「これは、動物園の檻に入った虎が同じ場所を何度も行き来することで、自分自身を深いトランスに入れる、という意味での反復性です」と伝えたところ、「私であれば、『循環的活動』と呼ぶであろうが、反復性または循環的活動は形成妥当な追加変数として見なすことができる」という回答をいただきました。

ワークショップの最後の演習としては、参加者に数グループに分かれていただき、各グループで新しいニューコード演習を考案して、グループ全体に対してプリゼンしてもらいましたが、各グループとも非常に創造的で興味深いテクニックを作り出したことに、私は、いつもながらに驚いた次第です。

今後のグリンダー氏による「トレーナーズ トレーニング コース」の中で、皆さんがますます深く変容されていくことを願っています。


2. 大阪での北岡泰典公式ワークショップ シリーズ

大阪での第一回「北岡泰典公式ワークショップ シリーズ」は、2 月 24 日に、「ワークその 1『汝自身を知れ』 レクチャー 1.1 『アンカーリングと真の自己』」として成功裏に開講されました。

第二回ワークショップ「ワークその 1『汝自身を知れ』 レクチャー 1.2 『ニューロロジカル レベルと五つの鞘』」は、3 月 24 日に開講されます。本メルマガで再度告知することにいたします。

詳細は以下の通りです。(大阪ワークショップ主催者のホロンPBI, INCの告知チラシより引用しています。)

北岡 泰典
公式ワークショップシリーズ
<大阪コース>

NLP 界で「知の巨人」と仰がれる北岡泰典先生の公式ワークショップが待望の大阪で開催されることになりました。この特別ワークショップシリーズは、必ずしもNLP に限定せず「40 年以上の学際的変性意識研究家」として、北岡先生が培って来られたノウハウを、本当に求めている方々へのみ伝授するという極めて奥深く濃い内容のものです。

ここでは、催眠(エリクソン式催眠を含む)、瞑想、米国西海岸のヒッピーを含むカウンターカルチャーの諸実験、現代心理療法(ゲシュタルト、エンカウンター、プライマル・リバーシング等を含む)、トランスパーソナル心理学(ウィルバー、グロフ、タートを含む)、東洋的精神修行の道、芸術論(ポップミュージック、ポップカルチャーを含む)、その他(そしてもちろんNLP )が北岡メソッドとして統合され、そのノウハウを惜しげもなく体験学習を通して伝えられます。

まさに、世界的に類を見ない卓越したワークショップと言えましょう。

NLP をご存知の方にとっても、又全く知らないという方にとっても驚くような体験と学びを手にして頂く絶好の機会です。

【ワークその 1 「汝自身を知れ」】

●第一回:2 月24 日(金)・・・ レクチャー 1.1 『アンカーリングと真の自己』

おかげさまで成功裏に完了しました。

●第二回:3 月24 日(金)・・・レクチャー 1.2 『ニューロロジカル レベルと五つの鞘』

この第二回ワークショップでは、NLP 共同開発者ロバート ディルツの提唱する「ニューロロジカル レベル (心身論理レベル)」は、印度ヴェーダンタ哲学の中心的概念の一つである「五つの鞘」の概念と完全マッピングが可能であることが解説されました。さらに、「心身論理レベルの整合」演習が実地体験されます。 「心身論理レベル」、「五つの鞘」とも、「真の自己」を包んでいるフィルター (鞘)のようなものであり、これらのレベルの「マヤ (幻影)としての自己」との非同一化のプロセスこそ、まさに「汝自身を知る」プロセスにすぎないことが解説され、かつ実証されます。

●第三回:4 月14 日(金)・・・レクチャー 1.3 『ガチョウは外だ!』

この第三回ワークショップでは、「今ここ」にいることで、すべてのマインドの問題は瞬時に消え去って、「悟りの境地」にいれるということを意味する、禅考案の「ガチョウは外だ!」についての考察がなされ、かつこの洞察は、たとえば NLP の「信念アウトフレーミグ公式」演習等によって、右脳的に、体感覚として、実際に体感できることが実証されます。

<日 時> 第一回・・・2 月24 日(金)、第二回・・・3 月24 日(金)、第三回・・・4 月21 日(金)
(第四回以降の日程は未定です。)
PM18:30 ~21:30
<会 場> ホロンPBI セミナールーム
<参加費(当日払い)> *事前にお申し込みの方は10,000 円
*当日受付の方は12,000 円
<持参物>筆記具

必ず事前にお申し込み下さい。

●お申し込み・お問い合わせは・・・●

ホロンPBI, INC.
http://www.holonpbi.com/nlp/kitaoka.htm


私の東京での第八回ワークショップ「ワークその 2 『オルタード ステーツ (変性意識) とは?』 レクチャー 2.2 『トランスパーソナル心理学について』」は、2006 年 3 月 15 日 (水) にホテル ヴィラ フォンテーヌ汐留コンファレンス センターで成功裏に開講されました。

現在の参加募集は、2006 年 4 月 12 日 (水) に開講される第九回ワークショップ「ワークその 2 『オルタード ステーツ (変性意識) とは?』 レクチャー 2.3 『SDMLB (状態依存の記憶、学習、行動』 」に対してです。

ワークショップの詳細は以下の通りです。

レクチャー 2.3 『SDMLB (状態依存の記憶、学習、行動』

開催日時: 2006 年 4 月 12 日 (水) 18 時 30 分~21 時 30 分 (通常とは時間に変更があります。)
開催場所: ホテル ヴィラ フォンテーヌ汐留コンファレンス センター
募集人数: 10 名 (予定)
参加費: 事前振込み 1 万円、当日支払い 1 万 2 千円

このワークショップでは、NLP の「アンカーリング」の概念はコンピュータ用語のプログラミングと同等であり、また、ヴェーダンタ哲学の概念である「サムスカーラ」と同じであることが考察、検証されます。ちなみに、「アンカーリング」は、卓越した現代の心理学者によって提唱されてきている非常に広範な他の概念と密接な関係があります。たとえば、アーネスト・L・ロシの「SDMLB (状態依存の記憶、学習、行動)」、チャールズ・タルトの「d-ASC (個別の変性意識)」と「d-SoC (個別の意識状態)」、スタニスラフ・グロフの「COEX システム (凝縮経験システム)」、およびはユングの「原型」または「コンプレックス」も、まったく同じメカニズムを示唆しているように思われます。さらに、グルジェフの「多数の私」も、仮にこれらの概念と等価と見るとすると、さらに容易に理解できることでしょう。

上に列挙された用語のうちで、これらの基盤をなしている同じ意味 (または、少なくとも似た意味) を最も典型的に表しているのはロシが提唱した SDMLB であることについても考察、検証されます。

SDMLB 関連演習としては、ユング的コンプレックスを瞬時に解消できる「共感覚の分離」演習が予定されています。

参加申込みサイト: www.kitaokataiten.com/work/top.html

(注意: 参加申込みの混雑が予想されますので、申込みはお早めにされるようお勧めします。)

作成 2023/11/17