以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「旧編 新・これが本物の NLP だ!」第 21 号 (2004.9.9 刊) からの抜粋引用です。

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今回は、英国 NLP 学院認定大阪第一期および東京第二期プラクティショナー コースに関連したいくつかの FAQ (頻繁に訪ねられる質問) にお答えすることにします。

なお、『プラクティショナー コース関連 FAQ、その 1』 は、本メルマガの第 15 号のことです。同号では、質問 Q1 と Q2 が尋ねられているので、本号では通し番号として Q3 からスタートすることにします。

Q3: 近い将来開かれる「NLP 体験説明会 (NLP 紹介イブニング セッション)」について教えてください。

A3: 「NLP 体験説明会」は、主に私の資格コースを受講されるかどうかの判断基準にしてきただきたいという意向から開講しています。今後の日程は以下のようになっています。

* 2004 年 9 月 17 日 19:00-21:00 大阪 JMA スペ ース
* 2004 年 9 月 24 日 19:00-21:00 東京 JMA スペース
* 2004 年 10月 15 日 19:00-21:00 大阪 JMA スペース
* 2004 年 10月 23 日 14:00-16:30 アクロス福岡
* 2004 年 10月 29 日 19:00-21:00 東京 JMA スペース

特に、9 月 17 日 (大阪) と 9 月 24 日 (東京) の体験説明会には、大阪第一期および東京第二期プラクティショナー コースのモジュール 5 を担当するため来日中の英国 NLP 学院講師でポルトガル人のリタ ベロ女史に特別トレーナーとして参加していただき、一部セッションを受けもっていただく予定です。

ベロ女史には、彼女がマスター プラクティショナーの認定を受けた NLP ユニバーシティの最新テクニックを紹介していただくことになっています。また、私のトレーニング スタイルと比較することもできるので、これらの体験説明会は、参加者には非常に興味深いものになると思っています。

もちろん、私のコースの在校生、卒業生の方も、これらの説明会への参加が可能で、また、オブザーバとして参加することは、それなりの学習経験になると思っています。

ベロ女史のプロフィールについては、以下のページを参照してください。

http://www.nlpjapan.com/trainer/

なお、説明会の参加費は 2,000 円ですが、私の訳書「Magic of NLP ~ 解明されたNLP魔法~ 」 (定価 2,000円) をご持参又は当日会場でご購入いただいた方は、参加費が無料となります。

参加を希望される場合は、以下にコンタクトしてください。

TEL:03-5437-0851 (JMA) 平日10時~18時
電子メール:info@jma.jp.org

Q4: どうして、英国 NLP 学院認定プラクティショナー コースでは、北岡先生だけではなく、他の欧米人トレーナーも教えられるのですか?

A4: この質問は、現プラクティショナー コースの在校生からあった質問ですが、主に以下の 3 つの理由からこのシステムが取られています。

a) 私の資格コースが NLP の「世界基準」をクリアするための条件の一つとして、私以外のマスター プラクティショナー以上の 1 人以上のトレーナーが同コースを教えることが要求されている。

b) NLP は、欧米で生まれたので、欧米風の論理的な教え方にも接していただきたい。(また、私個人の意見として、たった一人のトレーナーからしか NLP を学ばない場合は、どうしても狭い視野でのトレーニングしか経験しないので、「バイアス」が生じる危険性があると思っています。)

c) 特に、ベロ女史は、2002 年に NLP ユニバーシティで、プラクティショナーとマスター プラクティショナーの認定を受けているので、 NLPU の最新テクニックを紹介していただける。

いずれにしても、NLP の学習態度の真髄は「柔軟性」にあるので、NLP の習得は、複数のトレーナーのもとですべきと、考えています。

ちなみに、私は、今後の私のマスター プラクティショナー コース、トレーナーズ トレーニング コースでは、なるべく多くの世界級の欧米人トレーナーに特別ゲスト トレーナーとして参加していただきたいという意向をもっています。もちろん、来年 3 月に私のプラクティショナー & マスター プラクティショナー コース合同グループでセッションをしていただくために NLP 共同創始者のジョン グリンダー氏を日本に招聘するのは、この方針の一環としてです。

Q5: 「プラクティショナー コース」、「マスター プラクティショナー コース」、「トレーナーズ トレーニング コース」の違いを説明してください。

A5: 私は、本メルマガの第 6 号と第 12 号で、一般的なガイドラインとして、以下のことを述べさせていただきました。

「ちなみに、少なくとも欧米の NLP 業界について言えば、NLP プラクティショナー資格認定コースは、上記の比喩で言う地下鉄の各駅の詳細 (NLP の各モデ ル) について、それぞれ対応した演習とともに個別に学習習得するためにあり、マスター プラクティショナー資格認定コースは、プラクティショナー コースで 個別に習得した各駅 (各モデル) 間の有機的な関連性を学習体感して全体のネットワーク (全体像) に熟知するためにあり、トレーナーズ トレーニング資格認定コースは、全体のネットワークと個別の各駅 (各モデル) の両方のレベルについ て、高度な熟知/習得度を達成するためにある、と見なすことができるかもしれません。」

私自身、1988 年にカリフォルニア大学サンタクルーズ (UCSC) で開講されたグリンダー、ディロージャ & アソシエーツ (GDA) 主催のコースでプラクティショナーの認定を受け、翌年 1989 年、同じ GDA からマスター プラクティショナーの認定を受けました。

グリンダー氏のプラクティショナー コースは、私にとってパワフルな「マジカル」な効果を残しましたが、NLP の全体像が見え始め、自分自身、他の人々にセッションを行えるような自信をもち始めたのは、同氏のマスター プラクティショナー コースを修了した後でした。(ちなみに、「NLP ファシリテータ」として自立するためには、それなりの量の NLP その他の関連文献を (できることなら原文で) 読みこむ必要があることは、私がことさらここで指摘するまでもなく、自明であると信じています。)

私自身のプラクティショナー コースは、非常に広範囲な NLP テクニックが「広く、浅い」形でカバーされていますが、私の今後のマスター プラクティショナー コースでは、各テクニックをさらに深く掘りさげて、「NLP ファシリテータ」として自立するために必要な技能をさらに学んでいただくことになっています。

(私のプラクティショナー コースとマスター プラクティショナー コースのカリキュラムは、以下のサイトで参照することができます。

http://www.nlpjapan.com/course/pra-curri.htm
http://www.nlpjapan.com/course/mas-curri.htm )

私は、1995 年にドイツのミュンヘンでリチャード バンドラー氏の「NLP 協会 (The Society of NLP)」主催のトレーナーズ トレーニング コースを修了し、2002 年にはロバート ディルツとジュディス ディロージャ主催の NLP ユニバーシティ (カリフォルニア大学サンタクルーズ内) で「トレーニング & コンサルタンシー コース」(トレーナーズ トレーニング コースと等価) を修了しました。

これらのトレーナーズ トレーニング コースでは、私は、主に、プレゼンテーション技能と新テクニックの開発法を学びました。

トレーナーズ トレーニング コースでは、主に下級コースですでに習得したテクニックと技能の完璧化を図っていて、特に、他の人々に対するプレゼンテーション技能をみっちり学んだので、私の今後のトレーナーズ トレーニング コースでもプレゼンテーション技能習得に重点が置かれることになります。

Q6: 私は、日本語は、北岡先生が指摘するほど、非論理的ではないと思いますが。

A6: この質問は、本メルマガの第 2 号にある私の日本語観に対して、現プラクティショナー コースの在校生からあった質問です。

第 2 号の書き方では、誤解が生じる可能性があると思いますが、私の立場は、もちろん、日本語でも、他のどの西洋言語とも同じような論理的な表現は可能である、というものですが、日本人が日本語を使う場合、すべてを明示的に論理的に表現することを厭う傾向にある、というだけを強調させていただきたい、と思いました。

Q7: 北岡先生の「アンカーリング」の図式説明で、「ロープ」の長さは何を意味しますか?

これも、現プラクティショナー コースの在校生からあった質問ですが、この図式は、以下のピクチャー ファイルのことを意味しています。

http://www.creativity.co.uk/creativity/jp/magazine/library/anchor.htm

この図の中で、もちろん、「錨」の深さは「アンカー」の強度を意味し、「船」の位置は現在の「自分の意識」を意味します。船が移動できる海中内の範囲が、「自分が潜在的にアクセスすることができる (無意識的な) 精神状態 = ゾーン」です。

この図の「ロープ」の長さの意味について考えをめぐらせてみましたが、現在の私の意見では、これは、アンカーについて自分自身がどれだけ意識化していられるか、または、どれだけ頻繁にそのアンカーを意識的に起動できるか、その「意識化度」と言えるかもしれないと、思っています。

すなわち、錨の存在に無意識的である場合は、ロープの長さも短く、その分、自分の精神状態の「ゾーン」の広さは狭くなります。このことは、柔軟性が欠けていることを意味します。その反面、錨の存在に意識的であればあるほど、ロープの長さも長くなり、それだけ、自分の精神状態の「ゾーン」の広さはひろがり、非常に柔軟な精神状態にいることが可能になるというわけです。

以上が、私の暫定的な答えですが、私自身、この興味深い質問についてさらに考え続けてみたいと思っています。

Q8: 北岡先生のデモ演習は、一般的に興味深いですが、ご自身のデモ演習のやり方についてコメントしていただけますか?

A8: 私は、私の友人の NLP トレーナーから、非常に高名な NLP トレーナーでも (失敗を恐れて) 参加者の前でデモ演習をすることを極力避ける方がいる、と聞いたことがあります。

私の場合、NLP を教える際に「生命線」としていることが 2 つあります。一つ目は、私のワークショップ、コースの参加者から受ける、どのような質問に対しても、即、自発的に答えることです。この点については、「これほど NLP について広くカバーする形で、ありとあらゆる質問に答えられる (日本人の) NLP トレーナーはいない」という感想を複数の方からもらっています。

二つ目は、デモ演習については、私が直感的に志願者を選ぶなり、参加者が自発的に志願者になるなり、どちらであっても、催眠にかかりそうにない観客を初めから被催眠術者の候補から事前的に排除する舞台催眠術師とは違って、「来るものは拒まず」の態度で、どのケースもチャレンジとして引き受ける、という点です。ある場合は、やりやすい志願者で、デモがすぐに終わったり、難しい志願者の場合は時間がかかったりしましたが、幸いにも、今まで、「どうしようもなくなって最後までデモ演習ができず」に失敗したケースは皆無です。

私は、私自身のプレゼンテーションのし方全般については改善の余地がまだあるという自己認識はちゃんともっていますが、この「すべてのデモ演習を、どれだけ難しい志願者の場合でも、すべて最後まで『成功裏に』終了させる」ことができる私の技能または柔軟性については、客観的にそれなりに評価できるものではないか、と思っています。(この技能も、プレゼンテーション技能の重要な部分であることは言うまでもありません。)

上述した、私の今後の「トレーナーズ トレーニング コース」では、まさしく、このような特殊技能を身に付けることを参加者に教えることもできる、と考えています。

作成 2023/10/18