以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「旧編 新・これが本物の NLP だ!」第 148 号 (2010.5.22 刊) からの抜粋引用です。

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今回は、「北岡、メディアの取材を受ける」、「書評、その一」、のトピックがカバーされています。

1) 北岡、メディアの取材を受ける!

今回、北岡はメディアの取材を受けました。

媒体は、スカパー朝日系の「覚悟の瞬間 (とき)」という番組で、6 月 1 日より同番組の Web サイトで、北岡の約 7 分間のインタビュー ビデオが流されることになりました。

現在、同サイトでは、数十人の方々が紹介されていて、宮崎県知事の東国原英夫氏、東京都副知事の猪瀬直樹氏、米プロ野球選手の上原浩治氏、バレーボール元日本代表の川合俊一氏、ミスユニバース 2007 の森理世氏等の有名人も多数含まれています。

一業種一人だけが対象になっているということですので、自己啓発・コーチング・NLP 業界の代表として北岡が選ばれた感があり、本当にうれしいかぎりです。

このビデオは、高レベルのプロ仕立てで編集されていますので、まだ北岡に会ったことのない方がその人となりに触れる絶好の機会になると思います。

「正式デビュー」は 6 月からですが、現在でも、特別に、暫定ページで「プレビュー」できますので、興味のある方はぜひ以下のページにアクセスしていただけるようお願いします。

http://www.kakugo.tv/index.php?c=search&m=conf&kid=133&pid=9fc3d715

(なお、このプレビュー ページは 5 月一杯の稼動です。また、ビデオはサンプル試写版の画質です。)


2) 書評、その一

最近、ある人が、カルロス カスタネーダ系のシャーマニズムに関連する本として、ドン ミゲル ルイス著の『四つの約束』の原書 (“The Four Agreements” by Don Miguel Ruiz) を貸してくれたので、読んでみましたが、内容的に NLP とほぼ「完全マッピング」できると思いましたので、この本の書評を書いてみたいと思いました。

今まで、私は書籍の書評はほとんど書いたことはありませんでしたが、これを機に、今後、NLP の観点からマッピングができるような興味のある本について、私なりの書評を書いていく可能性もあります。

本書の著者のルイスは、トルテック (トルテック族は、アズテック族以前のメキシコ高原地帯を 10 ~ 12 世紀に支配した民族です) の秘教を受け継ぐナワール (シャーマン) です。

本書の原文は、非常に簡単で、おそらく中学卒の英語の語彙力と文法読解力があれば、充分読むことができると思います。130 ページ程度で、英語が普通に読める人であれば、数時間以内で読める内容です。

私には、この本は、サン テクジュエリ著の『星の王子様』、パウロ コエーリョ著の『アルケミスト』級のクラシック本になりえる本だと思えました。

ただ、「翻訳がこなれておらず、日本語としてかなり読みづらい」という意見もあるようで、確か に、たとえば、「最初の約束」の「Be Impeccable with Your Word」は「正しい言葉を使うこと」と訳されていますが、私には、文脈上、むしろ、「言行一致していること」の意味であるように思われます。

以下、翻訳本の訳語も参照しながら、「簡易書評」を書いてみます。

第一章「Domestication and the Dream of the Planet」 (「飼いならしと地球の夢」) では、通常、この世に生まれた子供は、親によって「飼いならされる (domesticate)」ことによって、無数の約束事から成り立つ「現実」の中に生かされ始めるのであり、通常、この現実は暴力、恐怖、戦い、不公平 の、地獄のような夢であるが、著者が提唱する「四つの約束」を守れば、天国の夢に変え始めることができることが主張されています。

NLP の観点から言えば、この「飼いならし」は、「プログラミング」、「条件付け」そのものであると指摘することは興味深いと思います。また、「約束」は、NLP の「世界地図」に対応していると考えられます。

一つ目の「約束」がタイトルになっている第二章「Be Impeccable with Your Word (正しい言葉を使うこと)」では、言葉にはマジカル パワーがあり、一つの言葉がある人の信念を左右することが、主張されています。このため、自分に反する形で言葉を使わないことが重要になり、言葉と矛盾し ない約束をすれば、真実が現れ、それまでの感情の毒が浄化するだろう、と示唆されています。

この章全体を、NLP の「首尾一貫性」 (特に「同時的首尾一貫性」) の観点から考察し直すことで、非常に興味深い読み方ができるように思えます。

二つの目の「約束」がタイトルになっている第三章「Don’t Take Anything Personally (なにごとも個人的に受け取らないこと)」では、他人から自分のことについての意見を言われても、自分のことではなく、その人のことを表しているだけと見 なすことが勧められています。この約束を守れば、どこにいても、傷つかずにいれます。

この「ものごとを個人的に受け取らないこと」は、NLP の観点からは、たとえば「心身論理レベル」の「行動」と「アイデンティティ」の「複合等価」 (メタモデル離反の一つ) を克服すること、と理解できますし、さらには、人からどういう意見を言われても、意味合い (4Ti) を排除して、ただただ「4Te」を観察し続けること、と定義し直すことも可能です。

三つ目の「約束」がタイトルになっている第四章「Don’t Make Assumptions (思い込みをしないこと)」では、人間は思い込みをせざるをえないが、してしまうと、それが真実であるかのように信じてしまうことが指摘されています。思 い込みをしないでいるためには、質問をすること、とも指摘されています。

NLP 的に言うと、この章は「NLP の諸前提」と関連していますし、前章と同様に、何が起ころうとも、意味合い (4Ti) を排除して、ただただ「4Te」を観察し続けることとも関連しています。さらに、「思い込みをしないでいるためには、質問をすること」は、まさしく、 NLP メタモデル質問の「存在理由」そのものです。

四つ目の「約束」がタイトルになっている第五章「Always Do Your Best (つねにベストを尽くすこと)」では、どういう状態にいるにしろ、常にベストを尽くすことが勧められていて、最初の三つの約束がうまくいくのは、ベストを 尽くすときだけであり、ベストを尽くし続けることによって、古い習慣が新しい習慣に変容することが指摘されています。

この章は、(仮に NLP 的でないとしても) 私の言う「コミットメント」と密接に関連していますし、また、たとえ、NLP 的な新しい習慣を形成するにしても、一夜にして達成されることは不可能で、継続的な努力が必要だと警鐘を鳴らしてくれているような気がします。

第六章「Breaking Old Agreements (古い合意を破ること)」では、自分自身の夢の支配者になるためには、「覚醒の精通」、「変容の精通」、「意図の精通」が必要とされると指摘されています。

この点は、私がよく言う「私の NLP によって、『覚醒』、『変容』、『自立』がもたされます」という主張と類似していることは興味深いと思います。

さらに、「寄生虫」のような古い約束を克服する方法としては、意識の変容、自分の行動を律する戦士の規律、一期一会的に生きること、の三つが挙げられています。

この三つは、NLP 的には、「リフレーミング」をともなった無意識への明け渡し、「メタ」の視点をもつこと、4Te の世界だけに生きること、と再定義できるように私には思えます。

以上、私なりの「NLP 的観点からの本の読み取り方」の一例は、いかがでしたでしょうか?

作成 2024/2/22