以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「旧編 新・これが本物の NLP だ!」第 127 号 (2009.12.30 刊) からの抜粋引用です。

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今回は、「北岡新 NLP FAQ、その十八」のトピックがカバーされています。


1) 北岡新 NLP FAQ、その十八

Q45 (127): 他の団体の資格保持者で、さらなる技能向上を求めている人々向けのプロジェクトを企画されていると聞きましたが、説明していただけますか?

A45 (127): 最近のメルマガで、私は、いわゆる「ネガティブ キャンペーン」を展開してきているとも言えるかと思います。

(これは、国内には、自分のところで参加者を「囲い込んで」いて、「近親相姦」的状況を作り出し、「異文化コミュニケーション」性が否定される形で、真の NLP が発展する土壌を阻害している NLP 団体が非常に多いのではないか、といった私自身の指摘のことです。

この指摘の裏には、長年の英国滞在後 2002 年に帰国したとき、それまでの 15 年間 NLP の継続的な自己適用を続けた後、仮に「本物の NLP」を人に教え、人々に真の変容をもたらすことを支援するのであれば、(四天王のレベルには及ばないにしても) せめて「最低ライン」として私自身のレベルの技能を身につけている必要があると考えていたという自信と自負があり、また、帰国後、私自身、仮に私以上のレベルの NLP トレーナーが国内に存在していれば、私自身の NLP ビジネスを即すべて放棄して、その方に「弟子入り」して、その方から一から学びたいと思うほどの懐疑主義をもっていたにもかかわらず、私自身の経験と私の周りの人々からのこれまでの報告に基づくと、極めて残念なことに、そのようなレベルのトレーナーは日本の市場には存在していないようなので、国内で教えられている NLP のレベルの低さに強い失望感と危機感を覚えながら、「しかたなしに」私が (必要最小限のレベルの「本物の NLP」の) ワークを継続してきているという事実があります。)

そのキャンペーンを通じた私と他の NLP トレーナーの明示的な「差別化」のせいであるようにも思えるのですが、私の最近のコースとワークには、過去に他の団体で NLP を学ばれた方々や、ずっと私のメルマガを愛読してきていただいていて、まだ私と会ったことのなかった人々の数がどんどん増えてきているように思えます。

そのような方で、私の最近のワークに参加してくださった方から、以下のようなメッセージをいただきました。

「以前から北岡先生のお話を伺っていましたが、今回お目にかかれたことを嬉しく存じます。私は NLP を知ってから数年になります。これまで、ある NLP の団体で学んできていますが、最近、この団体自身が主催する欧米人トレーナーのセミナーに参加して、本場の NLP とこの団体が教えている NLP に違いがあるように感じました。これは、言葉では言い表すことが難しい『違い』でした。今、ある一つの団体だけで学ぶとその特徴が正しいものとして思い込んで、それを人に伝えていってしまう危険性があると思っています。NLP はあくまでクライアントのためのものであるのが本当だと、今の私は考えています。」

ということで、今後、私は、今まで暖めてきている「他の団体の資格保持者で、ブラッシュアップが必要な方々」向けのプロジェクトを改めて正式に企画したいと思っています。企画が出来次第、私のサイト等で告知することにします。

このことと関連して、私の最近の複数のワークに同時に参加されている方からは、「北岡先生のコースとワークショップの参加費は、もっともっと高めの価格設定にして当然です。なぜ先生は、講義中に、ご自身がせっかく今まで築いてきた知識とノウハウを、そこまで無際限に、寛大に、(また、オフのときには、無料にもかかわらず)、どんどん開示されるのか、私には理解できません」といった助言を受けました。

これに対しては、私は「人間は裸で生まれて、裸で死んでいくので、私は自分がこれまでのありとあらゆる試行錯誤の後に得たと信じている『究極の真理』を自分で独り占めにする気は毛頭ないですね。どうぞ私から盗めると思うものはものはすべて盗んでください (そして、「自分自身の師匠を超えることのできない弟子は『できの悪い弟子』である」というレオナルド ダヴィンチの言のように、どうか私を超えていってください)、という思いが私にあるだけですね。ただし、一点だけ、私から私の『生き様』を盗めるものは誰一人いないという絶対的な自信だけはありますが」と答えさせていただきました。

この方からは、「先生のワークの価格設定を高くすればするほど、それだけ業界内外からレベルが上の方々からの注目を浴びるようになるはずです」とも助言されたので、今後このことを参考にさせていただきたいと思っています。


Q46 (127)
: 北岡先生の日本での「ワークショップ講師デビュー」について語っていただけますか?

A46 (127): そうですね、私の正式な日本での「ワークショップ講師デビュー」は、2003 年の 2 月頃山梨県大月市の「APG ピラミッド センター」で開催された「NLP 紹介」ワークショップだったと思います。

2002 年の 9 月に、18 年間の英国滞在を終え (といっても、現在でも、私は英国に会社をもっていますが)、帰国した後、私は、フリーランスの NLP トレーナーとして売り込むべく、数多くの団体と会社に対して自分の「履歴書」を送りましたが、ほとんどの会社は私の過去の実績を問題にして、私を雇用しようとはしませんでしたね。その中で、私の師匠の弟子の方々から、瞑想の大家として「山田孝男」さんという方がいらっしゃるということを聞き、当時山田氏が運営されていた APG ピラミッド センターにコンタクトしたところ、2002 年の秋頃、同氏にピラミッド センターで面談していただきました。

同氏とは、約 2 時間くらいお話をして、同氏がアイソレーション タンクを含めた「ニューエイジ系の変性意識の研究」にご興味をおもちであることがわかり、その上で、西海岸のさまざまなカウンター カルチャーの試行錯誤の上に集大成として NLP が誕生した経緯と、NLP が悟りの道にも適用できる革新的方法論であり、まさにその研究を私がしてきていることをお話させていただいたところ、翌年の 2 月にピラミッド センターの定例講習会があるので、そこで 3 時間程度の NLP ワークショップを開催したらどうですか、という提案を受け、翌年、私の正式な日本での「ワークショップ講師デビューの運びとなった次第でした。

実は、山田先生は、私がそのワークショップを開講した 2003 年の 7 月に病気で亡くなられたのですが、それ以来、あれだけのカウンター カルチャー系の変性意識研究の学派を実際に体得されていた瞑想家の方は、私の「瞑想と NLP」の架け橋のかけ方にピンとこられ、その後の私の変性意識トレーナーとしてのポテンシャルを即見抜くことができたのではないか、と思い続けてきています。

我田引水的に言うと、しばらくして肉体を離れることになる山田先生から「お前の方向性は間違っていない。その方向性でいくがいい」という「お墨付き」をいただいた気がしてなりません。

事実、このワークショップに参加されていて、山田先生を長年ご存知だった方で、その後私の社内講習も開いていただき、私の「マインドワーク」の原型のワークの開講の協力もしていただいた方から「私の知っているかぎり、あの山田先生が一度だけ二時間程度会っただけで、私のところでワークをしてみませんか、というオファーをした人は、今までに二、三人しかいませんね」という指摘を受けたことがあります。

山田先生からはサイン入りの自著の『瞑想のススメ』をいただきましたが、非常にいい本だと思います。その後、ご自身のインドでの修行と LSD 体験を書いた『マジカル・チャイルドの記憶』がナチュラル スピリット社刊行の『山田孝男全集』の第二巻として昨年発行されると聞いて発行を待っていたのですが、ずっと遅れていたようなので、そのまま購入できずにいたのですが、2003 年の私のデビュー ワークの参加者で、現在私の資格コースに参加されている方から「その本はすでに出版されているはずです」と聞いたので、Amazon で購入して、読んでみました。

『マジカル・チャイルドの記憶』は、200 ページ程度の読みやすい本ですが、改めて、先生の、催眠、瞑想、化学的に誘発された変性意識状態等に対する、左右脳がバランスの取れた研究のし方が読み取れ、さらに「この道を極めるには死ぬ覚悟がいる」といったコミットメント (初版の 1993 年の時点で、これほどのコミットメントを最近の若者に要求したら、そのセミナーには誰も来ないでしょう、とすでに指摘されているのは、非常に興味深いことです) で研究された点や、「ニューエイジ系の多くは現実逃避派である」といった指摘から考えても、2002 年当時、私の変性意識の観点からの「NLP と瞑想」のワークと方向性に、先生が即ご興味をもたれ、評価することができたのも、必然的だったのではないかという思いがますます強くなりました。

私のこの方向性のワークをさらに実際的に触れてみたい方は、1 月 11 日の「NLP と瞑想」ワークショップに参加されるようお勧めします。

ところで、私の (独自ワークではない) 「社内研修ワーク」を含めた、日本でのワーク デビューは、実は、2001 年の夏でした。その前の年、私は、数年間の構想と執筆の後、英国で『CYBERBOOK: An Integral Epistemology for Enlightenment (サイバーブック: 悟りのための統合的認識論)』という CD-ROM 本を出版しましたが、その出版告知メールを世界中の NLP 関係者に送付したところ、米国ニュージャージー州の VIP トレーナーから「あなたは英語を話し書きできる NLP トレーナーのようですが、日本語はしゃべれますか?」という返信をもらいました。

その後のメール交信で、この方は、デンマークに本社のある医療機器メーカーの世界中の支社での NLP に基づいた社員研修を請け負っていて、世界中の国で同じ内容の研修をするので、日本でも、英語と日本語がしゃべれる高質のトレーナーが必要になっている、ということが判明しました。この方とは、ロンドン滞在先のホテルで会い、面接を受け、即、翌年の夏にそのクライアントの日本本社のある京都で 5 日間ワークの「サブトレーナー兼通訳」になることが決定しました。

そういうわけで、2001 年 8 月に京都で 5 日間、この米人の日本企業向け社内研修の通訳と半分程度の内容のプリゼンテーションを自分一人で行いましたが、報酬は、まったく経験と実績のないトレーナーの最初のワークとしては信じられないような額でした。(この米人に対しては、2001 年から 3 年間の間、毎年夏に数日間私の業務提供を続けましたが、経験を積んでも、毎年報酬額はまったくの素人だった初年度と同じでした!)

私は、当時から、苫米地英人の言う「大いなる勘違い」を実践していたのですが、当時も今も、「たとえば、セラピー、コーチングの業界で、十年後、二十年後に業界のトップ クラスの人材になれると無邪気に信じながら、最初のキャリアとして、まず手始めに自分の家族や友人に対して安価な報酬を求めて『練習』をし続け始める人々がいるが、おそらく、その人々は、十年経っても、同じレベルのワークをし続けている可能性が非常に強い。その一方で、どの業界を見ても、『彗星のごとく現れる逸材』が存在するように、本当に力のある人は、自分自身の過去の実績、経験に関してはまったく『我関せず』の立場で、初めから『俺はすごいんだ』という『大いなる勘違い』をして、かつ、自分の実力を評価できる (当然、数としては極めて少ない) 人々をその業界で見つけて、それを突破口にして自分の実力を世間に認めさせ始める人である」というスタンスをもち続けていますね。

2001 年当時から現在まで、私は、一貫して、後者のスタンスを証明しているつもりでいます。その中で、特に日本では、過去の実績、経験しか評価できない、極めて数多くの団体、会社を見てきました。一例として、2003 年から数年間、私は、完璧なネイティブ イングリッシュを話すポルトガル国籍の女性を私のコース開催時ごとに日本に招聘して、私の「アシスタント トレーナー」として働いていただきましたが、あるとき、この方が日本に長期滞在する目的で、非常に有名で高質の英語学習教育会社に面談に言ったとき、彼女は担当者に「英国パスポート保持者でないと雇えない」と言われたそうです。このとき、実際に目の前にいるヨーロッパ人の英語が完璧であることが自分の目と耳では判断できず、パスポートという書類にたより、場合によっては、非常になまりの強いスコットランド人やウェールズ人を雇ってしまう可能性のある人が、一流と言われている英会話関係の会社の面談者をしている事実に、驚愕したことがあります。

私を、実際、過去の実績、経験を問わずに、雇い始めたのは、上記の米人トレーナー、山田孝男氏、私の以前の提携会社等、ごく数少ない人々でした。「十年後、二十年後に業界のトップ クラスの人材になれると無邪気に信じながら、最初のキャリアとして、まず手始めに自分の家族や友人に対して安価な報酬を求めて『練習』をし続け始める」人々であれば、その大部分の人々は、自分が認められない状況に出会うたびに、ますます「世間で認められないので、やっぱり俺がだめだからだ」と考える「自己達成的」状況に陥ることになるのは目に見えていると思います。

私から NLP を学ばれる方々は、NLP の技術性はともかく、この辺の私の「生き様」をモデリングしてほしいですね (上述 (FAQ45 参照) したように、それはなかなかできないでしょうが (笑) )。

作成 2024/2/1