以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「新編 新・これが本物の NLP だ!」第 36 号 (2015.1.28 刊) からの抜粋引用です。
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今回は、以下のトピックがカバーされています。
1.ユング再考/ユング モデルが体感できる Meta Mind Work 開始!
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1.ユング再考/ユング モデルが体感できる Meta Mind Work 開始!
最近のメルマガ等で、ユングのことについて語ってきていますが、本号で、改めて、私の「ユング考」をまとめてみたいと思います。
まず、私の最近のユングの興味は、昨年夏の青森の恐山のイタコの体験から来ていると思います。
どこかで書きましたが、故船井幸雄氏は、「昔『霊界』と言われていたものは、今は『無意識』と呼ばれている」という名言を吐かれましたが、ユングの無意識論は、「霊界」についての著作で有名なスエーデンボルグに基づいていることを指摘することは興味深いことかと思います。
私のユング研究は、まだまだ入り口ですが、しかし、ユングの説いたキーワードは、まさしく私が過去数年以上開講してきている「無意識/催眠/シャーマン」ワーク、特に Meta Mind Work (MMW) の私自身のモデルとほぼ重複していることを知って、その「普遍性」に驚いてきている次第です。
(Meta Mind Work (MMW) の概要説明は以下にあります。
http://www.kitaokataiten.com/metamind/ )
まず、ユング モデルと北岡ワークのマッピングの前に指摘すべきことは、NLP/DFT (DTF は、「NLP + ZEN」を意味する私自身の新体系ワークです) では、「顕在意識」は使わず、「意識」に含めるという点です。また、「潜在意識」は「無意識」に含めます。
このため、NLP/DFT では、「意識」と「無意識」の用語しか使わないシンプルな形になっています。
また、ある本では、「潜在意識」という用語を使うのはフロイト派で、「無意識」という用語を使うのはユング派である、とありました。この意味では、NLP/DFT はユング派ということになります。
ユングのキーワードと MMW の私自身のモデルとの重複について、今号のメルマガでは、特に、以下の三点を指摘することができます。
1) ユングのキーワードに「Transcendent Function」があります。これは、「超越機能」と訳されていますが、これは、私が MMW ワーク等でいつも触れてきている「いかに意識と無意識の間のラポールを取るか」のユング版の用語と言えます (ユング自身は、「超越機能とは、すなわち、意識と無意識のデータが協力することである」と述べています)。
2) ユングは、また、「Individuation」という言葉を使いました。これは「個性化」と訳されていますが、私自身の理解では、「自己実現」の意味合いで使われています。これは、トランスパーソナル心理学の「前自我 → 自我 → 超自我」 (MMW で言う「ノーマインド → マインド → メタマインド』」) にほぼ対応していると、私は考えています。
3) さらに、ユングは、「Enantiodromia」という言葉を使いましたが、これは、辞書では「転向 (個人が以前抱いていたのとは反対の信念をもつこと)」と定義されています。
私は、MMW のワーク等で、たとえば、「信念体系統合」の実地の演習等で、好きな自分 (正) と嫌いな自分 (反) を「止揚統合」して、新しい自分 (合) を生み出し続けることで、「永遠なる自己拡張」を継続することができる、と説明していますが、このとき、「普通の状態では、このようなワンランク上の自分を求める『再統合』 (トランスパーソナル心理学の『超自我』あるいは MMW の『メタマインド』) に進まず、『好きな自分』だけを実現しようとして、『嫌いな自分』を無視あるいは見ないでおこう (NLP/DFT では、『抑圧』という言葉を使いません) とするが、この場合は、再統合が達成されていないので、人生のどこか別の文脈で、『必ず』、無視されていた部分の自分が、『多重人格症』のように頭をもたげてくる」と付け加えています。
私は、(再統合されないままでいる) この無視された対極の自分が、遅かれ早かれ、必ず「乗っ取る」メカニズムは「極性反応」と呼んでもいいと思っていますが、このメカニズムを、ユングの Enantiodromia が意味していると、理解しています。
以上が、最近の私自身の発見をまとめたものですが、あるとき、大学院レベルで心理学を学んだという元学生の方とユングの話をしているとき、「私が以前いた大学院の先生方は、ユングの『超越機能』や『個性化』が何を意味しているか意見が分かれていて、誰もその意味が明確にわかっていないので (!)、修士もしくは博士論文を書くときは、そのような用語は使わないように、という学内のお達しが出ていた」とおっしゃったので、私は、「そうなんですか、私の MMW ワーク等では、その二つのメカニズムを、左脳的に理解するのではなく、右脳に落とし込んで体感する演習がいくつかありますが、たぶん、そのことを体感できていない学者たちは、左脳的な議論だけに終始しているのでしょうね。その先生方に、ぜひ、私の実践的 MMW を実際に受講してもらいたいと思いますね」と申し上げました。
このような Meta Mind Work に興味がある場合は、直近ですが、まだ空き席がありますので、1/31 から始まる MMW への参加を検討してみてください。詳細は、以下にあります。
http://www.office-kitaoka.co.jp/mmw/
作成 2022/12/6