以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「新編 新・これが本物の NLP だ!」第 4 号 (2013.5.10 刊) からの抜粋引用です。

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現在、本メルマガは「新フェーズ」に入っていて、新編第一号、第二号に続き、本号でも哲学的命題に対する NLP 考察をしてみたいと思います。

新編第一号でも示唆させていただきましたが、北岡ワークは、いったんミニ悟りを開いた後、普通は、「この世」に戻って来た後は、元の悟っていない自分に戻ってしまう可能性が高い中、日常生活で起こっているすべての事象を悟りの世界とマッピングすることができる方法論を提供するものです。北岡ワークを通じて、現象界で起こっているどんな事象を見ても、いわば恒常的な「悟りのフラッシュバック」(ちなみに、これは実は、「PTSD の超肯定バージョン」です! この脳内の完全配線替えが「北岡式 NLP」で可能になっています) を起こさせることができます。

以上を背景にして、北岡の新たな方向性と試みとして、北岡ワークは「悟りの世界と日常生活の間の翻訳言語」 であることを明示化した上で、 今後、Swami Guhen の『深遠なる意識の旅』メルマガと本『これが本物の NLP だ!』メルマガの交互発行して、 北岡/Swami Guhen ワークを解説する「辞書」もしくは「用語集」を提供させていただきたいと思いました。

以下の『深遠なる意識の旅』メルマガ

http://www.guhen.com/newsletter/007.htm

では、「Swami Guhen 哲学考」を展開し、本メルマガでは、その哲学的考察の NLP の観点からの日常生活への落とし込み方について考察されることになります。

今回は、この二つのメルマガの「交互発行」の三回目で、「Swami Guhen 哲学考」および「NLP 考察」のテーマは、「宗教とは」です。

今回は、以下のトピックがカバーされています。

1.NLP 考察、その三/宗教とは

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1.NLP 考察、その三/宗教とは

『深遠なる意識の旅』メルマガ第 7 号の「Swami Guhen 哲学考、その三/宗教とは」では、ヴィーヴェックアーナンダの「宗教」の定義が紹介されました。さらに、通常、「教義、教条、儀式、経典、寺院、形態」および迷信こそが宗教だと思われているが、北岡は、「自分の内側に眠っている『真我』と外側にあるとされている宇宙原理すなわち神とは、実はまったく同一なので、『肉体、エネルギー、記憶、知性、至福』の 5 つの『鞘』の向こうにある、汚されていない真の自分が何であるかを知ることだけが、宗教とは何であるかのただ一つの意味である」と見ていることが紹介されました。

このことを NLP の観点から考察すると、以下の二点のことが判明します。

1) NLP のモデルである五つの「心身論理レベル」 (環境、行動、能力、信念、アイデンティティ) は、上述の印度哲学の「五つの鞘」と完全マッピングされるが、NLP には、五つの「心身論理レベル」を「観察」する演習があり、この演習によって、(唯一の宗教的な問いである) 本当の自分を知るための「自己同一化解除」のプロセスが促進される。

2) シャンカラチャリヤ式の認識論から言えば、「本当の自分」は、「五つの鞘」を見ている「絶対的観照者」であるが、これは NLP の「メタ」のポジションとほぼ同じと言っていい。

NLP 演習では、自分は、環境、行動、能力、信念、アイデンティティの五つの「心身論理レベル」、すなわち、肉体、エネルギー、記憶、知性、至福の「5 つの鞘」、のいずれでもないことを右脳的に体感することが可能で、かつ、付箋紙を使いながら、明示的に「観照者 (メタ)」のポジションを取ることができるので、その意味で、NLP は、「真の意味での自分を知る」 (「自己同一化解除」のプロセスの) ための非常に有効なツールであると見ることもできます (ただ、おそらく、同時に、経験的に自己同一化解除プロセスである瞑想等を実践的に行っていない場合は、理解は単なる左脳的なものにとどまってしまうことを強調してもいいかと思います)。

ちなみに、1990 年代後半に、英国にいた私は、フランスのパリにいた、NLP と精神世界を研究している方と、「悟りをアンカーリングすることができるか」について、電子メールで喧々諤々の議論をしたことがあります。

この方は、 肉体、エネルギー、記憶、知性、至福の「5 つの鞘」 (もしくは、環境、行動、能力、信念、アイデンティティの五つの「心身論理レベル」) の一つ一つは、人間意識の各「状態」なので、NLP のアンカーリングの対象になるが、悟りもしくは絶対的観照者は、それら 5 つのフロアすべてを含んだビルディングそのもので、状態ではないので、アンカーリングの対象にはなりえないという主張を繰り返していました。

当時の私の立場は、シュレディンガーの「確率論」とラッセルの「論理階梯の理論」等を使えば、本来は状態でない悟りもしくは絶対的観照者も、あたかもアンカーリングの対象になるように捉えることができ、かつ実際にアンカーリングの対象として、24 時間継続的にその「擬似状態」にアクセスし続けることができる、というものでした。

それ以来、私は、15 年以上にわたって、この立場を崩していなくて、さらに、この私の主張を覆すような経験をもったこともありません。

それに加えて、最近の私のワークでは、Windows のコンピュータ モニタ上でフォルダとファイル アイコンを使って、このことが右脳的に理解できる「自然形の例」のデモンストレーションを行うことさえあります。このデモンストレーションでは、通常、メニューの上のカレーライスの写真をカレーライスそのものだと思って食べてしまう統合失調症の患者は「論理のタイピング エラー」を使っている一方で、同じメカニズムに基づいた「療法的論理のタイピング エラー」を使えば、本来は状態ではない悟りもしくは絶対的観照者も、あたかも状態であるかのように捉えることができるようになり、このことで、アンカーリングの対象にもありえることを実感することができます。

以上のように、「真の宗教 = 本当の自分を知ること」を、三次元の世界で体感することを可能にしてくれる NLP のモデルと演習が一定数以上存在しています。

作成 2022/11/4